30プリウス G’s 減速時の異音について
プリウスに乗っていて、減速する時に『カタカタ』『カチカチ』というような異音が気になった方はおられませんでしょうか? 最初は微小な音でも、徐々に大きくなる異音の原因を探っていきます。
プリウスの持病。
今回ご依頼いただいた車両は、30プリウスの特別仕様車となる『G’s』で、走行距離は約10万kmです。中古車を購入されて数ヶ月程ということですが、減速時の『カタカタ』という異音を気にされて、今回ご相談をいただきました。
異音の原因の多くは、『ドライブシャフト』と呼ばれるエンジンの動力を車軸に伝えるための部品からの異音です。モーターによる減速を行う『回生ブレーキ』使用する際にこちらの部品に力が加わり、少しのガタつきでもこのような異音が発生するようです。
過去にはアウトボードシャフト(外側部分)のみ対策品に交換するという手法で交換を行うこともありましたが、昨今ではできるだけ長くプリウスに乗りたいという方も多く、内側も含めたアッセンブリー交換をすることが多くなっています。今回のお客さまのG’sは左側からの異音でしたので、左のドライブシャフトを新品に交換していきます。
リビルトドライブシャフトについて。
ドライブシャフトの交換は、新品を使用すると割と高額になる修理です。修理代金を削減するために『リビルト品(再生品)』を使用する例もございますが、リビルト品の場合はドライブシャフトのブーツがゴム製となり、純正の樹脂製のブーツと比べると耐久性に劣ります。あと数年で乗り換えるという場合であれば、リビルト品での延命も良いかと思いますが、中古車を購入したばかりの方など、できるだけ長くプリウスに乗りたいという方は、トラブルのリスクが少ない新品部品がオススメです。
異音の程度と修理の必要性について。
ドライブシャフトの交換を進めていきます。ドライブシャフトを取り外す際に、トランスミッションのオイルが抜け出ますので、フルードの同時交換もおすすめです。また、オイル漏れを防ぐために、オイルシールも同時に交換をしていきます。
ドライブシャフトの異音による交換の必要性やタイミングについてですが、異音の感じ方も人それぞれ違いますので、我々が試運転をして『異音が出ているな』と感じても、お客さまは気づいていないパターンも実は少なくありません。こういった場合はこちらとしてもあえてお伝えすることは無く、もう少し異音が大きくなるまで様子を見ることもございます。
ドライブシャフトだけではありませんが、車には異音を発生させるポイントが多くあり、車両の年式が古くなると、微細な異音も増加してきます。そのような異音を徹底的に直していきたい方もいれば、全く気にならないという方もおられます。Kyoei Japanでは、そのようなお客さまの価値観にも合わせたメンテナンスを心がけています。現状に問題が無いか気になるという方がおられましたらお気軽にご相談ください。
最後になりましたが、今回のお客さまには、大阪府よりお越しいただきました。今回の異音はドライブシャフトとしては大きく出ていたかと思いますので、メンテナンスのタイミングとしては最適だったと思います。今後もお車の調子を気にしながら、プリウスのある生活をお楽しみください。この度はご依頼誠にありがとうございました。
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