NHW20 プリウス HVシステム異常 走行距離30万キロ 修理レポート

皆様こんにちは、お世話になっております。日頃より当店のブログをご愛読いただき誠に有難うございます。初めての方もご訪問誠に有難うございます。こちらはプリウス専門店Kyoei Japan』のスタッフブログになります。プリウスの修理パーツの取り付けイベント情報などを不定期で更新させていただいております。

 

今回のブログは、先日、トラブルで入庫した走行距離約30万キロNHW20プリウスのお話です。

 

入庫した時にはメーターに赤色の警告灯、ナビの画面にも警告灯が点灯している状態でした。

診断機を繋いだ結果、これらの故障コードが見つかりました。HVバッテリー系異常が出ていたため、バッテリーの電圧のバラツキ、充電状態等をチェックしましたがバッテリー本体には異常な数値は見られません。

バッテリーにも異常が見られないため、どのようなタイミングで異常が出るかを確認するため、1度故障コードの消去を試みたのですが、警告灯が消えた瞬間にまた警告灯が点灯する状態でした。 診断機を使い、ハイブリッドバッテリーファンモーターの異常を確認するために強制的にファンを回す、『アクティブテスト』を行うこともできるのですが、警告灯が点灯している状態ではアクティブテストができません。警告灯が消せない原因はどこにあるんでしょうか?

 

こちらはハイブリッドバッテリー内にあるコンピューターです。当店にある予備のバッテリーコンピューターを使い異常の確認をしましたがこちらも異常無しです。

ここでハイブリッドシステムでは無く、エンジン本体に着目し、エンジンオイル量を確認した所、エンジンオイルが規定値よりも減っていました。エンジンオイルを補充すると、すんなり警告灯も消すことができました。これで、次の段階に進むことができます。

 

 

バッテリー冷却ファンの故障コードが出ていたため、もう1度ファンのアクティブテストを行います。しかしアクティブテストを行うと、警告灯が再度点灯します。バッテリー冷却ファン周辺に、何らかの異常がある事は間違いなさそうです。写真でもわかっていただけるかと思いますが、ファンにかなり埃が溜まっていますね。

 

ファン本体には埃が溜まってはいるものの異常はありません、ただファンが回るべきタイミングで電流が流れてこない事から配線が怪しいです。配線を辿っていくと、そこに今回のトラブルの原因が現れました。

 

 

 

配線が酸化し断線しています。こちらのコネクタから外れている線こそが『バッテリー冷却ファン』の電源に繋がる配線です。

 

 

簡易的に配線を繋ぎ、もう1度アクティブテストを行うと、ファンが元気良く回り始めました。配線を全て交換し、古くなった冷却ファンも交換する事が理想的ではありますが、お客様と相談した結果、既存の配線を修理し、ファンは綺麗に清掃させて頂き無事に作業終了となりました。

 

今回のトラブルの考えられる原因としましては、冷却ファンに埃が溜まることで負荷が増え、配線が熱を持つことで酸化を招き、やがて断線したという事が考えられます。冷却ファンは普段は見えない部品ですが、ハイブリッドシステムを構成するパーツの中では重要な役割を果たしている部品の1つです。

もう一つは『雨漏り』です。NHW20、ZVW30プリウス共に、ルーフのモール下にひび割れが生じて、雨漏りを起こす場合がございます。ルーフから入った雨水が、配線にかかり腐食を引き起こす恐れがあります。

 

当店のNHW20プリウスも、赤丸の所に亀裂が生じておりました。トラブルが起こる前にシール材で亀裂を埋めてあげると効果抜群です。写真は透明のシール材で対策済みの状態です。

 

 

 

 

今回のトラブルは稀なケースではあると思います。当店での今までのバッテリー交換等のハイブリッド車の修理経験から、同じハイブリッドシステム異常でも違和感を感じ、原因を特定し修理する事ができました。走行距離も約30万キロ近くにはなりますが、今回の修理後はまだ乗れてしまいそうなのがプリウスの凄い所の1つではないかと思います。以前は走行距離も10万キロを越えれば車を乗り換える時代でしたが、最近は10万キロを超えてもまだまだ現役の車も多く、プリウス、アクア等のトヨタの主要なハイブリッド車に関しましては走行距離が増えても海外での需要増もあり、価値が下がりにくくなって来ています。

 

 

これからどんどんハイブリッド車が増えていく事が予想される中で、簡単な部品交換では対応できない修理も確実に増えてくると思います。当店ではプリウスに特化した修理、整備を確実にこなせるよう知識の強化、設備の強化を行なっていきますので、お悩みの方は是非お気軽にご相談下さい。よろしくお願い致します。

最後まで読んでいただき誠に有難うございます。こちらのブログに辿り着いた方は、プリウスに関する何らかのトラブルや、今後起こりうるトラブルについて気になる事や不安を抱えられているのではないかと思います。当店のブログには、トラブルの情報や、修理事例、プリウスの特性など、たくさんのブログ記事を作成しております。皆様のお悩みを解決する為のツールになればと思いますので、1度ご覧になってみてください。また、修理のお見積もりなど、下記のリンクよりお気軽にご相談いただければと思いますので、よろしくお願い致します。

その他、関連記事を下記のリンクにまとめておりますので是非ご覧ください。

 

『プリウスが7馬力アップ?! Quantum Solenoid(クァンタムソレノイド)プリウス用』

30 プリウス EGRバルブ、インテークマニホールド清掃

『30プリウス、20プリウス、アクア、 新品ハイブリットバッテリー交換 工賃割引キャンペーン実施中!』 

『30プリウス 前期 リビルトバッテリーに交換』

 

その他のお問い合わせ、お見積もりは『こちら

 

TOPページ

 

Kyoei Japan / Kyoei Auto Service

623-0046

京都府綾部市大島町坂尻2番地

E-Mail : info@kyoei-auto-service.com

TEL:0773-42-6921

 

 

 

 

この投稿へのコメント

  1. 島田守雄 said on 2019年2月24日 at 4:48 PM

    今日珍しくパネルに赤ランプ点滅始まった。20系プリウス販売終了の半年前に購入したものです。普通に動きますが何の意味で点滅しているのか取説の説明には無い場所なのでわかりません。明日以降修理に出す予定です。

    • kyoei-japan said on 2019年3月6日 at 5:58 PM

      初めまして、コメントありがとうございます。不具合の方は解決されましたでしょうか? 詳しい状況を教えていただければこちらでもお調べすることができますので、お問い合わせフォーム、お電話等でお気軽にご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL