『極上車』のメンテナンス、30プリウス後期型
デビューから15年以上が経過した30系プリウスですが、全国的に見れば『極上車』と言える個体が存在しています。今回はそんな極上車のオーナー様よりメンテナンスのご依頼をいただいたので、紹介していきたいと思います。
走行距離2万5000km
今回ご依頼いただいたお客様のプリウスは30プリウスの後期型です。走行距離は驚きの25,000km、走行距離の通りでかなり綺麗な車両です。オーナー歴もしっかり分かっていて、新車時からの記録もしっかり残っている『極上車』です。
現状でも手入れが行き届いているため、大きな修理の必要はない状態ではありましたが、お客様からは『長く大切に乗っていきたい』とお話をお伺いしていて、今回のメンテナンスを行う事となりました。
綺麗な車両には大きく分けて2種類のパターンがあると考えていて、1つは綺麗にされた車両、こちらに関しては傷があった部分を修理したり、再塗装や部品交換を行うことで綺麗な状態になっている車両です。もう一つは『新車の状態が維持されている車両』です。こちらは新車時から大きく手が入っていないにも関わらず、ナチュラルな綺麗さを持っている事が特徴です。年式が古くなってくると後者のような綺麗さを持つ車両が貴重になりますが、今回のお客様のプリウスは後者の部類となるのではないでしょうか。
車両からは大切にされていた雰囲気が感じられて、お客様が『長く乗りたい』とおっしゃられるお気持ちもよく理解できます。そんな極上車に長く安心して、そして楽しくお乗りいただけるメンテナンスのスタートです。
気持ちの良い走りを支える安心感。
まず行っていくのがブレーキのメンテナンスです。もちろん走行距離が2万km代ですので、消耗による交換ではありません。普段のドライブに安心感をプラスするためのアップグレードが主な目的です。

お客様のプリウスは保管状況も良く、大きな錆も見られませんので、ブレーキの状態は全体的に良好です。ただ、ブレーキキャリパー内部のオイルシールには経年劣化による不安要素が見られたため、リアのみ内部の清掃やオイルシールなどの交換を行うオーバーホールをさせていただきました。

リアブレーキに関しては、キャリパーのピストンが金属製ですので、サビによる不具合も起きやすいのが特徴とも言えます。これからブレーキパッドを交換していく30系プリウスの場合は、シール類の劣化にも注目していただきたいです。

ブレーキローターは摩擦係数をアップすることができるDIXCEL製のSDタイプ、いわゆる『スリットローター』を装着し、ブレーキパッドは汚れが発生しにくいDIXCEL M-Typeを装着させて頂いております。スリットローターによってブレーキダストの増加が懸念されますが、こちらのパッドは比較的汚れにくい事が特徴となります。ブレーキはもしもの時に活躍する重要なパーツですので、ある程度の強化もオススメです。回生ブレーキの恩恵によって消耗しにくい1面もありますので、良いパーツを入れても長く楽しむ事ができるところも、強化がお勧めできる要因の1つです。
重要なブレーキのメンテナンスが終了し、さらに性能を高めるメンテナンスへ続いていきます。次回の更新は続編です。ご興味のある方は是非ご覧ください。
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