減速時に気になる『カタカタ音』30 プリウス前期型 ドライブシャフト アウトボードジョイントシャフト交換
プリウスに乗っていて、減速時に足元から聞こえる『カタカタカタ』というルーレットのような音に気づかれた方も多いのではないでしょうか? プリウスに多いこちらの症状の一例を解説していきます。
異音の大きさは大小様々。
プリウスに乗っていて、減速中になんとなく聞こえる時があるカタカタカタというルーレットのような音、もちろん異常が無い車両からは聞こえないのですが、プリウスには非常に多い症例で、特に車高を下げるカスタムをされている場合に発生頻度が高くなるトラブルです。異音の大きさは大小様々で、壁際の道を窓を開けて走っていると微かに聞こえるというレベルから、車内外にしっかり聞こえる音量で響く場合もあります。
こちらの異音の原因となるのが『ドライブシャフト』です。エンジンの力はトランスミッションに入り、そこから駆動輪へはドライブシャフトによって力が伝えられます。そんなドライブシャフトに、プリウスの機構である電気モーターの発電時の抵抗を利用してブレーキをかける『回生ブレーキ』の力が加わることで、逆方向の力がかかるという点と、ジョイント内部の微細な隙間によってカタカタと異音が出ると言われています。そのため車高を下げてドライブシャフトに少しでも負担が増えると異音の発生率が高くなってしまうようです。ドライブシャフトからの異音であるかの判別方法としましては、減速中にギアをニュートラルに入れると異音が鳴り止むかどうかで概ね判断できます。今回ご来店いただいたお客様のプリウスの場合は、比較的小さな異音ですが、今後大きくなっていく可能性が高いため、早い段階での修理をさせて頂きます。
異音対策部品。
今回ご用意させていただいた部品は、ドライブシャフトのアウトボードジョイントシャフトという部品です。内側と外側からなるドライブシャフトの外側であるアウトボードが新品となり、内側は清掃、グリスの入れ替えをして再利用します。
本来内側のジョイントに入るグリスには粘り気がありますが、多くの場合は粘度が下がり、乳化したように変色しています。これらを清掃し、新しいグリスに入れ替えることでインナー側もリフレッシュできます。
インナー側の組み付けが終わったところです。インナーアウターのアッセンブリー部品もありますが、そちらは品番変更がされていないため、異音対策になるかが不透明となります。当店では今の所、確実に異音対策品となっているアウトボードジョイントシャフトの交換を交換を薦めさせて頂いております。
予防整備は気になる所から。
最後になりましたが、今回ご来店いただいたお客様は、著しい異音には感じておられなかったものの、”今後悪化するから”ということで早めの対策をされました。ただ、ドライブシャフトの異音に関しては、気づかずに乗っている方も少なくありません。異音の感じ方は人それぞれな部分もありますので、小さな異音でも気になってしまう方の場合は、今回のお客様の様に早めにメンテナンスをされると毎日の運転でのストレスは大きく軽減されるものと思います。
今回お客様には、千葉県千葉市からご来店いただきました。燃費の良いプリウスなので、遠方から旅行を兼ねてご来店いただく方も増えております。近隣のおすすめスポットなどもお伝えすることができますので、お気軽にご相談ください。
アイスバーグシルバーのボディに、カローラスポーツ純正ホイールの流用、そしてさりげなく前後のタイヤサイズを変えられてバランスを整えておられるという、細かいこだわりも光る1台でした。この度は遠方からのご来店誠にありがとうございました。
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