2022年、30系プリウスで多かったトラブルまとめ。

最も年数を重ねた車両で初年度登録から13年が経過した30系プリウス。生産が終了してから7年が経った現在でも、沢山の車両が現役で活躍しています。これから乗り続ける方はもちろん、これから買おうと思っている方にもお届けしたい現状をお伝えしていきたいと思います。

軽症から重症まで様々、『減速時のカタカタ音』

信号、踏切など、停止するタイミングで何気なくブレーキをかけると足元から聞こえる『カタカタカタ』という異音、音楽を聴いていれば分からないレベルの音である事例もあれば、同乗者との会話を遮るような音量で鳴る場合もある、30系プリウスに多い症例です。

この異音の原因として挙げられるのが、『ドライブシャフト』からの異音です。ドライブシャフトはトランスミッションの動力を駆動輪に伝える役割を担う部品です。プリウスのような駆動輪と操舵輪が同じとなるフロントエンジンフロントドライブ車(通称FF車)は元々ドライブシャフトに負担がかかりがちですが、この異音に関してはプリウスのようなハイブリッド車特有の『回生ブレーキ』が絡んでいると考えられます。

回生ブレーキはモーターでの発電時に発生する抵抗を利用したブレーキのことで、これによりプリウスは従来のクルマと比べてブレーキパッドの消耗が大幅に減っているなどのメリットを得る事に成功しています。

しかし、回生ブレーキ作動時には、モーターと駆動輪の繋ぎ目となるドライブシャフトに少なからず負担がかかってしまうネガティブな部分も持ち合わせています。多くの車両は異音が発生していませんが、走行距離が多くなった車両や、数cmのローダウンをしている車両に関しては、ちょっとしたクリアランスの変化で減速時の異音が発生してしまうケースが多いです。

走行距離を重ねる事、経年劣化も原因の一つとして挙げられるため、2022年はこちらのトラブルも急増した印象です。異音対策部品もメーカーより販売されていますので、これからも長く乗り続けたいとお考えであればリフレッシュがおすすめな項目です。

ハンドルに伝わる不快な『ガタガタ音』

踏切や細かいうねりがある段差など、ピッチの細かい段差を通過した際に、ハンドルに伝わってくる『ガタガタ』といった異音を体感された方も少なからずおられるのではないでしょうか?

こちらは足回りのスタビライザーリンクやサスペンションアッパーマウントといった部品の不具合と勘違いさがちですが、『ステアリングインタミディエイトシャフト』と呼ばれる部品の不具合であるケースが多いです。

インタミディエイトシャフトは、インタミシャフトと略されることも多いパーツで、ステアリングを操舵するステアリングコラムと、パワーステアリングユニットが備わるステアリングラックをつなぐ部分で、プリウスではサービスキャンペーンになっていた事もある部品です。

サービスキャンペーンの際に、当該部品の固定ボルトを増し締めすることで異音が止まれば部品の交換は無く、部品交換をしていない車両も多く現存しています。

ボルトの増し締めで症状が改善した場合でも再発する場合があるため、再発した場合は部品交換がオススメです。

経年劣化も見られるハイブリッドバッテリー

プリウスにとって切っても切れない関係になるのがハイブリッドバッテリーで、昨年も多くの車両のハイブリッドバッテリーを交換させて頂きました。

ハイブリッドバッテリーの寿命は走行距離15万kmから20万km程度と言われておりましたが、昨今では経年劣化と見られる症状も見られ、走行距離10万kmに満たない車両でもハイブリッドバッテリーの交換を余儀なくされるケースも増加傾向です。

当店では新品のハイブリッドバッテリー以外にもオプションとしてリビルトハイブリッドバッテリー(再生品)を用意させていただいております。リビルトハイブリッドバッテリーは中古品を再生しているという特徴から、新品同様の耐久性は見込めません。その分価格に反映させていただいた商品ですが、使い方が非常に重要です。

例えば新車を注文して納期が約1年、納車を待っている状況などではリビルトハイブリッドバッテリーが間違いない選択かと思います。今乗っているプリウスが気に入っていて、バッテリー交換後もできるだけ長く乗り続けたいとお考えであれば、新品ハイブリッドバッテリーがオススメです。

昨今では素材となる中古バッテリーの質の悪化などもあり、当店でも納得がいくクォリティのリビルトハイブリッドバッテリーを製作することに時間を要しています。大量生産ではなく、質の良いものを作っていくスタンスは崩さずに2023年も製造を続けていきたいと思います。

寒い時期に増加傾向、エンジン始動時のガタガタ音

30系プリウスの定番トラブルになってしまっているのが、エンジン始動時のガタガタ音です。こちらの原因の多くはEGRバルブという30プリウスから初めて採用された部品の不具合です。

EGRバルブの主な働きは、排気ガスを再循環させることで燃費が良くなることです。燃費が良くなる反面、汚れた排気ガスがエンジン側へ戻ってくることになり、溜まった汚れによって不具合が発生します。

当店では不具合を起こしたEGRバルブを交換するという方法だけでなく、清掃という提案も行なっています。エンジン始動時のガタガタという異音はエンジンの出力が不安定になった時に起こります。EGRバルブの不具合によるアイドリング不調以外にも、燃調の不具合によるちょっとしたエンジン始動時のもたつきでも数秒間の異音が発生したりします。

今後はEGRバルブ以外が原因で始動時の異音が発生する可能性も考えられますので、お困りの際はお気軽にご相談いただければと思います。

プリウスは基本的にトラブルが少ない車両。

ここまでは昨年多かったトラブルの事例を挙げてみました。ただ、同年代の他車種に比べてもトラブルは少ない方ではないかと思っています。壊れにくいとはいえ、長く乗り続けたい場合には必ず修理、メンテナンスは必要になってきます。

今回の事例はほんの1部ですので、大きなトラブルから些細な違和感まで、お気軽にご相談いただければと思います。皆様の『プリウスのある生活』が安心、安全、そして楽しくありますように、最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

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