車検と同時のリフレッシュ Vol.1 30プリウス後期型の場合。
車検の際に必要な整備といえば、ゴムブーツの破れの修理や、各部のガタつきの修理が一般的です。 ただ、車検に通るだけの整備をしていれば安全快適にクルマに乗れる訳ではありません。今回は車検の整備だけでなく、長く快適に、安心してプリウスに乗って頂くためのメンテナンスを同時に行なった事例です。
車検整備だけで十分ですか?
車検に関わる整備は、先述した通りでゴムブーツに破れがないか、各部のガタつきが無いかなど、最低限の点検で問題が見つかれば整備を行うという仕組みです。多くの場合は、新車から3年目、5年目ぐらいまでは大きな整備の必要がないのも特徴と言えます。しかし、30系プリウスの場合は車検に通っている車両でも異音が発生していたり、オーナー様が違和感を感じていたりします。
車両が古くなってきている現在では、正直なところ『車検に通れば良い』というスタンスで維持されてきた個体と、乗り味などにも拘り大切にされてきた個体では、同じ走行距離であっても大きな差が出てきています。今回のお客様は『あと5年は快適に乗りたい』とお話をされていました。乗られている間はできるだけトラブルに見舞われないように、先読みしたメンテナンスのスタートです。
乗り味を左右する重要なパーツ。

最初の作業は、前後の『ハブベアリング』の交換です。ハブベアリングは自動車の車軸に当たる部分で、走行中は常に回転している部分です。ハブベアリングが劣化してくると、転がり抵抗が増えることや異音の発生、最悪の場合はベアリングにガタつきが発生し、走行することが危険な状態にも発展します。

今回は前後とも新品に交換していきます。ハブベアリングが備わるのはブレーキディスクの裏側、ホイールを固定するハブボルトも新品が付属します。

フロントも同様にブレーキディスクローターの裏側に備わります。部品代金も比較的高額で、工賃を含めるとそれなりに費用もかかる部分ですが、発進時の加速のスムーズさや、細かく言えば燃費にも若干ですが影響するポイントです。ブレーキローターを交換する際や、フロントのドライブシャフトを交換する際などがついでのタイミングですので、気になる方はチェックしていただければと思います。
安心につながる『性動力』。
先述したハブベアリングの交換の次は、同時に行うことで工賃が節約できる『ブレーキディスクローター』です。

使用するローターは、DIXCEL製のSDタイプ、こちらはスリットと呼ばれる溝が入っていて、性動力が強くなる特徴があります。スリットローターはブレーキパッドの寿命を縮めるとも言われますが、プリウスの場合は回生ブレーキの恩恵がありブレーキパッドの消耗も少ないため、そのデメリットも最小限に抑えることができます。

合わせるブレーキパッドは同じDIXCEL製のMタイプ、こちらはブレーキローターへの攻撃性が低く、ブレーキダストが少ないことも特徴です。スリットローターのもう一つのデメリットとして、『ブレーキダストの増加』も挙げられますが、こちらのパッドを使用することで最小限に抑えることができます。効き具合も純正より高く、安心感も抜群です。

それ以外にも、ブレーキパッドの動きを良くするために最適なグリスアップを行い、フロントブレーキキャリパーはオーバーホール(内部の清掃と部品交換)を行なっています。ブレーキが大切なのは、ガソリン車だけでなくプリウスも同じことです。ブレーキの出番が普通の車より少ないからこそ、動きを最適化するメンテナンスも重要となってきます。第1弾はこのあたりで、次回は乗り心地に関わる部分のメンテナンス、アップグレードの紹介をしていきます。
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