30プリウス後期型の最上級グレードとなるGツーリングセレクション レザーパッケージ、装備も多く魅力的ですが、少し懸念すべきポイントもあります。今回はそんな懸念すべきポイントが車検時に起きていましたので紹介させて頂きます。

経年劣化による問題。

今回ご入庫いただいたのは、平成24年式の30プリウス後期 Gツーリングセレクション レザーパッケージです。こちらのモデルには、本革のシート、LEDヘッドライト、レーダークルーズコントロール、ヘッドアップディスプレイなど、多くの上級装備が備わっていて、当時の最上級グレードとなります。中古車となった今では、グレードによる新車時ほどの価格差が無いことも多いため、『どうせなら上位グレード』という方も少なくありませんし、私自身も上位グレードを購入されることがおすすめしています。

ただ、装備が良い反面トラブルが出る箇所も多くなるのも現状ですので、車両が古くなればなるほどそのリスクも高まることは考えられます。

今回起こっていたトラブルは『ポジションランプの不点灯』です。こちらのトラブルですが、後期型のツーリングセレクションによく見られる症状です。LEDのポジションランプの下半分が点灯していません。こちらの症状によって車検に通らなくなっている車両も多くなっています。インターネットで検索するとポジションランプの現物修理などもヒットしますが、ヘッドライト分解によるリスクと、現物にコストをかけた上で交換不可能なロービームの故障が起こるなどの展開も懸念されるため、弊社ではユニットの交換を推奨します。

今回はお客さまからのご希望で、G’s純正ヘッドライトを装着させて頂きました。こちらのヘッドライトを装着する場合は配線加工などが必要となります。インナーブラックのヘッドライトはフロント周りが引き締まり好印象です。当時は最先端であった装備でも、年数と共に懸念すべきポイントに変わることもございます。これから後期ツーリングセレクションの中古車を購入される方は、ヘッドライトの交換予算は念頭に置かれると良いかと思います。

車検に合わせたメンテナンス。

車検に通る範囲のメンテナンスを施せば安心して乗れるというわけではございませんので、少し踏み込んだメンテナンスも行わせて頂きました。今回はEGRバルブなどのメンテナンスです。

EGRバルブはこのような状態、大きな異音などは無かったそうですが、今後の対策として予防整備です。

EGRバルブは清掃でのメンテナンスとさせて頂きました。交換が必要な場合もありますので、この辺りは点検させていただいた上で判断させて頂きます。

ガソリンを噴射するインジェクター周辺は、お客様がガソリン添加剤を使用されていたこともあり、汚れが取れ始めてはいますが、しっかりとは取れていない状態でした。

こちらは手作業での清掃は難しいですので、機械を使用して清掃を行います。この辺りはしっかりと清掃を行えば燃費の向上、走行性能の変化が期待できます。車検に通れば2年間安心して乗れるということは無く、車両が古くなればなるほどその車両に合わせたメンテナンスが必要です。義務的な点検が行われる車検と良い状態で車両を維持するメンテナンスは別物とお考えください。

古くなっても綺麗に。

30系プリウスは発売から10年以上が経過した今でも、街中でよく見かけます。ただ、これまで大切にされてきている個体とそうでない物の差も目立つようになってきたと感じます。今回車検でご来店されたお客様も、傷んだ塗装の補修や今回のヘッドライト交換など、少しづつお車の状態を良くされながら、プリウスを大切にされています。たとえ車両が古くなっても、各部分が綺麗であったり燃費や走行性能が新車時に近いような状態が維持されていれば、そのクルマの価値が失われることはありません。Kyoei Japanでは30プリウスをより良い状態で維持したいお客様のお力になっていけるように、日々の業務を常にブラッシュアップしたいと思います。この度は車検、メンテナンスなどのご依頼誠にありがとうございました。

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