走行性能の低下に要注意、ZVW50プリウス ハイブリッドバッテリー交換。
全国的に見てもハイブリッドバッテリー交換の事例が少ないと考えられるZVW50 プリウス、弊社でも今回が初めての交換となりました。今まで交換の事例が少なかった事として考えられる理由も添えて解説していきたいと思います。
50系プリウスのハイブリッドバッテリーは2種類。
50系プリウスのハイブリッドバッテリーは大きく分けてニッケル水素バッテリーと、リチウムイオンバッテリーの2種類が存在します。型式がZVW50、ZVW55の場合は前者のニッケル水素バッテリー、ZVW51の場合はリチウムイオンバッテリーとなります。
2つのバッテリーの違いは、リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度が高く軽量、高出力である反面コストが高いという一面があり、ニッケル水素バッテリーはコスト面に優れており、安全性も高いと言われています。

今回ご入庫いただいたお客さまのプリウスはニッケル水素バッテリー装着車です。30系プリウスと構造は同じですが、形状や搭載位置は異なります。次項でご入庫の経緯や交換の様子を紹介していきます。
異常の点灯は無いが走りがおかしい。
今回ご入庫頂いたお客さまの50プリウスは走行距離が30万km、ハイブリッド異常が点灯していた訳ではございませんが、メーター内のバッテリー残量が1メモリになることがあり、1メモリになった時はアクセルを踏んでもクルマが前に進まない状況になることもあったそうです。
30プリウスでも相当バッテリーが劣化するとそのような現象が起こることもありますが、その場合は必ず警告灯が点灯します。

50系プリウスは異常が点灯しにくい仕組みになっていますので、そのような状態になっても警告灯が点灯しなかったことが考えられます。実際の点検でもバッテリー以外に異常がみられませんでしたので、ハイブリッドバッテリーを交換していきます。

50プリウスのハイブリッドバッテリーはリアシート座面下に設置されています。雰囲気的には先代のアクアに近い印象です。

冷却ファンの通風口は後部座席足元にあり、写真のようなフィルターも備わります。こちらは定期的な清掃や交換がおすすめです。

今回は新品のハイブリッドバッテリーに交換していきますので、再利用する部品を新しいバッテリーに組み付けるため、ある程度の分解も必要となります。
作業時間は故障診断を除けば約2時間程度となります。バッテリー交換前と交換後の比較を、試運転で検証していきます。
異常が出ていなくても。

バッテリー交換前は、出だしのトルクも弱く感じて、充電後のハイブリッドバッテリーの減り方も早く、調子が良い50プリウスとはかけ離れた印象でした。
バッテリー交換後は正常に戻り、バッテリーの動きも安定し、50プリウス本来の走り出しの軽快感の良さも戻ってきました。50系プリウスはハイブリッドバッテリーの異常が発生しにくい反面、今回のような警告灯が点灯せずともクルマの動き、走りがおかしいという事例が今後は増えていく事が予測できます。50系プリウスも走行距離が多くなっている個体も増えております。警告灯だけでなく、普段の走りの様子も気にかけていただければと思います。
最後になりましたが、今回は広島県よりご来店いただきました。遠方からのご来店誠にありがとうございます。走行距離は多いですが、非常に大切にされている印象が伝わってくる車両で、まだまだ走行距離も伸ばしていけそうな印象でした。今回のような事例が当てはまるような方はお気軽にご相談いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
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