予防整備のはずが…、30プリウス リビルトハイブリッドバッテリーから新品バッテリーへ交換

プリウスが致命的なトラブルに見舞われる前に、先手を打ってメンテナンスをするのがいわゆる『予防整備』ですが、最適な方法を間違えるととんでもない事態を招くことがあります。当店でも製造販売を行なっている『リビルトハイブリッドバッテリー』安価に修理が可能な反面、品定めを間違えると危険です。

性能を過信されがちなリビルト品

『リビルト品』とは一般的には使用済み品を修理、メンテナンスを施し、新品同様に機能するようにした商品です。ただ、世間に流通してる全てのリビルト品が新品同様に機能するわけではないのが現状で、リビルトハイブリッドバッテリーも同じ事が言えます。

当店ではお問い合わせいただいた際にリビルトハイブリッドバッテリーを強く勧めることはありません。燃費や走行性能は新品に限りなく近いと自負していますが、問題は『耐久性』にあると考えています。

特にバッテリーという一定期間で必ず性能が低下し、寿命を迎える特性がある物に関しては、性能を過信することにリスクがあります。そのため、『乗り換え時期が決まっている』という方や、『車検を受けたばかりで異常が発生したので、次の車検まで乗れる修理を』といったシチュエーションの方にとって最適な商品として、あくまでも新品バッテリーのオプション的な立ち位置での販売を続けています。

これらの観点から、当店では『予防整備』にリビルトハイブリッドバッテリーを勧めることはありません。ただ、『中古車購入時に心配だからリビルトハイブリッドバッテリーをつけてもらった』という方や、『安かったから壊れる前に買った』という方が多いのも現状です。今回は予防整備として交換したリビルトハイブリッドバッテリーに不具合が生じたお客様の事例を紹介させて頂きます。

見えない部分だからこそ安心できる物を。

入庫いただいた車両から、他社様で交換された後にトラブルを起こしたリビルトハイブリッドバッテリーを取り外します。お客様の30プリウスは平成27年式の後期型ですが、搭載されていたバッテリーは前期用、配線の取り回しなどが異なりますので、しっかりと配線が固定されていませんでした。高電圧ケーブルの危険性を示す特殊形状のクリップも付いていません。

ケースの一部は歪んでいて、大きな衝撃を受けている事がわかります。一般的な使用ではこのようになりません。無駄に隙間が開くと埃の侵入が増えるリスクが高まります。

バッテリー内部には段ボールのようなゴミも入っていました。ある程度の発熱や、過去にはハイブリッドバッテリーから発火した跡が見られたこともありますので、こういったゴミが入っていることも危険な要素です。

今回は安心できるものをというご用命をいただき、トヨタ純正の新品ハイブリッドバッテリーを使用して修理を行わせて頂きました。正規の位置に配線も固定でき、足りなかったパーツも補いました。高電圧を発生するだけでなく、プリウスの性能にとっては重要なパーツとなりますので、できるだけ長く乗り続けたいとお考えの方や、今乗られているプリウスに愛着を感じておられる方は新品ハイブリッドバッテリーの使用がオススメです。

知識で皆様のお役に立ちたい。

最後になりましたが、今回のお客様には兵庫県神戸市からご来店頂きました。とても可愛い小さなお子様を連れて来られていたのが印象的で、そんな家族が乗られる車両に危険な修理がされていた事が、同業者として非常に悲しい気持ちです。

『お客様の車を安全に走れるように修理する』という、ごく普通の車屋さんとしての仕事が、目先の利益を追求するあまりに歪んでしまっている現状が、昨今の自動車業界には見られます。当店はプリウスを扱う専門家集団として、ご来店いただく皆様の悩みごとを解決したり、カーライフの更なる楽しさを共に追求したり、少しでもお役に立てればという気持ちで日々の業務に励んでいます。

プリウス専門店を営む上でもちろ失敗もありましたが、それらの経験を活かして皆様のお役に立てることも沢山あると考えています。今回の修理でハイブリッドバッテリーに関しては完璧に修理ができました。これからは警告灯の点灯も気にせず、ご家族でのお出かけを楽しんでいただければと思います。最後になりましたが、この度は遠方からのご来店誠にありがとうございました。

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Kyoei Japan (プリウス専門店) / Kyoei Auto Service 

〒623-0046 京都府綾部市大島町坂尻2番地

Tel:0773-42-6921 

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